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psarestore -f <dumpfile> [-L] [-t] -m <ip_map_file> -s <shells_map_file> [-c <clients_map_file>] [--clients-logins=<client-logins-file> | --domains-names=<domain-names-file>] [-V {conf | dump} | --vhosts-dir={conf | dump}] [--restore-bu-cert] [--force]
psarestore --version
psarestore -h
-f 引数は、ダンプファイルの指定に使用します。psarestore ユーティリティは、Plesk サーバーの復元時に設定情報とサーバーのコンテンツデータを読み込む際にこのファイルを使用します。
-f 引数は、必須の引数です。
以下の3つのオプションが使用できます:
<dumpfile> = /fullpath/filename - ダンプファイルの完全名を指定することができます
例えば、/root/psa_backup/my_psa_backup_file ファイルに保存さ れた設定およびコンテンツ情報に基づいてPlesk サーバーを復元するには、psarestore -f /root/psa_backup/my_psa_backup_file を実行します。
<dumpfile> = - - stdin をダンプファイルとして指定できます。これは、リモートバックアップ/復元 (1つのマシンで Plesk をバックアップし、別のマシンで復元する) やチャンク化されたダンプファイルの復元を実行する場合に非常に便利です。
例えば、dump.* フォーマットのファイルのリストを psarestore のインプットとして転送する場合、cat dump.* | ./psarestore -f - を実行します。
分散バックアップ/復元の例と実行方法は、分散バックアッ プ/復元を参照してください。
FTPサーバー上に保存されたバックアップファイルを復元する場合は、./psarestore -f ftp://<login>:<password>@<server>/<dump_file_path> コマンドを使用します。
通常は、Plesk を復元するためにまったく同一の2つのサーバーが存在することはありません。マッピングメカニズムは、バックアップされたサーバーと復元されたサーバー内 のさまざまなデータを関連付けるために使用します。一例として、IP アドレスのマッピングが挙げられます:復元されたサーバー上にある利用可能な複数の IP アドレスは、バックアップされたサーバー上のものと異なる可能性があり、それらの IP アドレスの一部はバックアップされたサーバーで使用できる可能性があります。そうしたドメインを適切に復元、機能させるため、対応する IP アドレスを「マップ」し、Plesk 復元時にバックアップされたサーバーで使用されていた IP アドレスを適切に復元できるようにする必要があります。psarestore ユーティリティでは、IP アドレス、シェル、およびクライアントアカウントのマッピングを行うことができます。
IP アドレスとシェルのマッピングに関連する -m および -s 引数は、必須の引数です。以下に挙げられる例にはこれらの引数が使われていないことがありますが、これは重要な情報を伝えるにあたり情報過多となることを 防ぐためです。
IP アドレスのマッピングで最も重要なポイントは以下の通りです:
psarestore に IP アドレスをマップさせるには、-m 引数を使用します。マップされた IP アドレスに対応するファイルは、IP アドレスのマップ方法を記述したストリングのセットを含まなければなりません。
バックアップされて復元されたアカウントのクライアントに特定の IP アドレスがある場合、これらのアドレスをマップする必要があります。マップされないと Plesk は復元されません。
例えば、/root/psa_backup/my_ip_map_file
ファイルに含まれている指示に従って IP アドレスをマッピングする Plesk サーバーを復元するには、psarestore
-f /root/psa_backup/my_psa_backup_file -m
/root/psa_backup/my_ip_map_file を実行します。IP アドレスマッピングファイルの例は、設定ファイルの例 の IP マッピングファイル
のセクションを参照してください。
Plesk のノンクリーンインストール時の復元 時に、既に使用されている IP アドレスが IP アドレスマッピングファイルが存在する場合、IP アドレスの衝突が発生する場合があります。このような状況を回避するには、トラブルを起こしているストリングを IP マッピングファイルから取り除くか、衝突している IP アドレスを変更します。
psarestore でシェルのマッピングを行うには、-s 引数を使用します。マッピングされたシェルに対応するファイルは、シェルのマップ方法を記述したストリングのセットを含まなければなりません。
例えば、/root/psa_backup/my_ip_map_file ファイルに含まれている指示に従ってシェルをマッピングする Plesk サーバーを復元するには、execute psarestore -f /root/psa_backup/my_psa_backup_file -s /root/psa_backup/my_shells_map_file を 実行します。シェルマッピングファイルの例は、設定ファイルの例 の シェルマッピングファイル のセクションを参照してください。
Plesk のノンクリーンインストール時の復元 時に便利な機能です。復元しようとしているクライアントアカウントが Plesk サーバー上に既に「存在」している場合があります。そうしたクライアントの衝突は、そうしたログイン名または個人名が既に存在することを意味しています。 こうした状況は、クライアントアカウントのマッピング、または衝突しているクライアントアカウントを無視することで解決できます。
psarestore でクライアントアカウントをマップするには、-c 引数を使用します。マップされたクライアントに対応するファイルは、クライアントアカウントのマップ方法を記述したストリングのセットを含まなければなりません。
例えば、/root/psa_backup/my_clients_map_file ファイルの指示に従ってクライアントアカウントをマッピングする Plesk サーバーを復元するには、psarestore -f /root/psa_backup/my_psa_backup_file -c /root/psa_backup/my_clients_map_file を実行します。クライアントアカウントマッピングファイルの例は、設定ファイ ルの例 の ク ライアントマッピングファイル のセクションを参照してください。
提供される引数がなく、衝突が発生した場合、psarestore は事実に関する警告を発した後で終了し、clients.rej というファイル名のデフォルトクライアントアカウントマッピングファイルを生成します。このファイルは、衝突回避のためのマッピングに必要なクライアント のリストが含まれます。このファイルは編集し、必要に応じて新しいログイン名や個人名を書き込みます。その後、クライアントアカウントマッピングファイルとしてこのファイルを指定して、psarestore の実行を再度試みる必要があります。
ダンプファイル内のクライアントアカウントと復元が実行されたサーバー内に既に存在するクライアントアカウントが同じログイン名と個人名を持ってい る場合は、これらのアカウントは同一のものとみなされ、データが統合されます。
復元時に後者のアカウントの制限値が見当たらない場合、復元は失敗します。この場合、このアカウントをマッピングした上で個別に復元します。
ログイン名または個人名のみが同一の場合、この状況は衝突とみなされ、復元は実行されません。
特定のクライアントまたはドメインに関連したデータのみを選択して復元することができます。psarestore ユーティリティでは、データの選択的な復元を実行するために必要なクライアントまたはドメインのリストを作成することができます。
復元したいクライアントアカウントを指定するには、--clients-logins 引数を使用します。対応するクライアントログイン名は、復元したいアカウントのクライアントのログイン名を各行1つづつ記述し、その他の分離子を含まないものでなければなりません。
例えば、/root/psa_backup/my_client_logins_file ファイルに列記されたクライアントアカウントに属するデータのみを復元したい場合は、psarestore -f /root/psa_backup/my_psa_backup_file --clients-logins=/root/psa_backup/my_client_logins_file を実行します。クライアントログイン名のファイルは、設定ファイルの例 の クライアントログ イン名のファイル セクションを参照してください。
復元したいドメインを指定するには、--domains-names 引数を使用します。対応するドメイン名は、 復元したいドメイン名を各行1つづつ記述し、その他の分離子を含まないものでなければなりません。
例えば、/root/psa_backup/my_domain_names_file ファイルに列記されて いるドメインのコンテンツのみを復元したい場合は、psarestore -f /root/psa_backup/my_psa_backup_file --domains-names=/root/psa_backup/my_domain_names_file を実行します。設定ファイルの例 の ドメイン名のファイ ル セクションを参照してください。
ドメインの復元プロセスで、これらのドメインに関連するクライアントアカウントも同じく復元されます。
psarestore ユーティリティでは、復元実行時に復元されるバーチャルホストディレクトリの場所を指定することができます。復元を実行するサーバー上の psa.conf で指定された場所、またはバックアップサーバーで使用された場所のいずれかを選択して使用することができます。
復元を実行するサーバー上の psa.conf で指定された場所でバーチャルホストディレクトリを復元するには、-V conf (または --vhosts-dir=conf) 引数を使用します。
バックアップサーバーで使用された場所でバーチャルホストディレクトリを復元するには、-V dump (または --vhosts-dir=dump) 引数を使用します。
バーチャルホストディレクトリの場所が同じでない場合、復元が実行されるサーバー上のバーチャルホストディレクトリは、ダンプファイルに保 存された情報に従って移動されます。
いずれのオプションも指定しない場合、psarestore ユーティリティは、ダンプファイルで指定された場所にバーチャルホストディレクトリを作成してよいかどうかを聞いてきます。
Plesk のノンクリーンインストール時の復元 時には、復元が実行されるサーバーの psa.conf ファイルで指定された場所以外でバーチャルホストディレクトリを復元することはできません。すべてのバーチャルホストは、そのサーバーの バーチャルホストディレクトリに復元されます。
バックアップ/復元ユーティリティは、特別な証明書と共にインストールされます。その証明書は、さまざまなユーザーが Plesk コントロールパネルを通じてバックアップするデータの署名に使用されます。これは、保存したデータのセキュリティを確保するために行われます。
Plesk コントロールパネルによるデータのバックアップと復元の実行に関する詳細は、Plesk 7 ユーザーマニュアル の 『ドメインの管理』 を参照してください。
完全システムバックアップの前にユーザーが作成したダンプファイルから、ユーザーが復元されたサーバーコントロールパネルを使用してデータを復元できるようにするには、システムダンプファイルから以前の証明書を取得しなければなりません。これは、--restore-bu-cert 引数を使用して行うことができます。
このアクションを実行しない場合、保存して以前の証明書で署名されたユーザーデータは無効とみなされ、復元されません。
テストモードで psarestore を実行するには、-t 引数を使用します。実際の復元は実行されませんが、エラーや衝突が発生した場合、通知されます。これは復元プロセスの設定に非常に便利です。復元実行前に マッピングファイルに必要な修正を加えることができます。
復元されたクライアントの一部が英語以外の言語を使用している場合、-L 引数を使用することで英語を使用してそうしたクライアントアカウントを復元することができます。これは、復元が実行されるサーバーにそうした言語がインス トールされていない場合に便利です。この場合、-L 引数を使用しないとエラーが発生し、復元プロセスが停止します。
バックアップ/復元ユーティリティのバージョンを表示するには、psarestore 実行時に --version 引数を使用します。
Pleskノンクリーンインストール は、既に使用中の Plesk サーバーで実行される復元プロセスです。使用中のサーバーとは、設定が完了し、クライアントアカウント、ドメインなどが作成されて機能している状態をいい ます。この状態は非常にデリケートなため、特別な注意が必要です。
まったく同じダンプファイルを扱う場合でも、psarestore を2回連続して実行すると、常にまったく異なるバックアップ情報を持った2つの完全に独立した復元プロセスとみなされます。
復元されたすべてのクライアントアカウントとドメインは、Plesk ノンクリーンサーバーの優先度からは異なるものとみなされます。これにより、衝突が発生する可能性が出てきます。
クライアントアカウントの衝突 - 以下の2つの方法で解決可能です:衝突するアカウントを別のアカウントにマッピングするか、衝突するクライアントアカウントを無視します。詳しい説明は クライアントアカウントのマッピング を参照してください。
IP アドレスの衝突 - これらも、IP アドレスマッピングを調整することで解決可能です。詳しい説明は IP アドレスのマッピング を参照してください。
ドメイン、ホストアカウント、ウェブユーザーなどの衝突 - これらの衝突が発生した場合、対応するオブジェクトとすべての依存オブジェクトは復元されません。例えば、ドメイン復元中に衝突が発生した場合、ドメイン 自身、そのすべてのデータベース、ウェブユーザー、保護されたディレクトリ、ホストアカウントなどが復元されません。
バックアップされた情報が完全かつ混乱なく復元できるようにするため、テストモードで psarestore を実行する には -t 引数を使用します。
クライアントアカウントとドメインの選択的な復元 における状況は、Plesk クリーンインストールとまったく同じ方法で対処します。
既にサーバーに存在しているアカウントのクライアントのドメインを選択的に復元することはできません。マッピングメカニズムを使用する別のクライア ントの下でそのドメインを復元するか、既存のクライアントアカウントを削除してダンプファイルから復元します。後者の場合、既存のクライアントデータ はすべて失われます。
ノンクリーンインストール時における復元プロセスでは、psa.conf ファイルの設定を変更することはできません。このファイルは ‘read only’ モードで使用されます。これは、特に バーチャルホストディレクトリの復元 プロセスに影響します。この場合、復元されたバーチャルホストは常に、復元が実行されるサーバーが使用する場所 (psa.conf で指定) に置かれます。
Plesk では、クライアントとドメインユーザーが特定のドメインのデータのバックアップをコントロールパネルから個別に実行することができま す。システムのセキュリティを確保するため、そのようなダンプファイルはデジタル署名されています。これにより、ダンプファイルの不正な修正を防ぎ、不正 使用からシステムを保護します。
デジタル署名されたユーザーのバックアップデータは、コントロールパネルを使用して同じサーバーでのみ復元することができます。これは、バックアッ プ/復元ユーティリティがそのサーバーにインストールされる際、署名に使用するキーが生成されるためです。ユーザーダンプファイルが別のサーバーで復元できるのは、管理者がコマンドラインツールを使用した場合のみです。
コントロールパネルからドメインデータを作成、復元する方法は、Plesk 7 Uユーザーマニュアル を参照してください。
管理者は、どのダンプファイルもどこのサーバーででも復元することができます。
管理者がダンプファイルを復元すると、デジタル署名は認証されません。"不確実な" ダンプファイルの復元は、システムセキュリティを弱める可能性があります。
ユーザーのバックアップデータを復元するため、psarestore ユーティリティと共に以下のオプション使用されます:
--single-domain-mode - このオプションは、ユーザーのバックアップデータ specifies that a user backup (通常のサーバーバックアップに対し) が復元されており、ユーザーのダンプファイルが1つのドメインに関するデータを含んでいることを指定します
--domain-name - ダンプファイルからデータが復元されるドメイン名を示します
現在は、ダンプファイルに保存されているドメイン名とこのパラメータは同じでなければなりません。
--domain-ip - ダンプファイルのドメインが復元される IP アドレス
IP アドレスは、クライアント IP プールで使用可能でなければなりません
--client-login - クライアントダンプファイルが復元されるドメインのクライアントのログイン名
同一名のドメイン名が既に存在する場合は、解決不能な衝突が発生する可能性があるため、データが統合されるか、ダンプファイルは復元されま せん
例えば、IP アドレス '1.2.3.4' のログイン名 'client' のクライアントと、'client.domain.com' というドメイン名をクライアントダンプファイル /root/psa_backup/client_backup から復元する場合、.psarestore -f /root/psa_backup/client_backup --single-domain-mode --domain-name=client.domain.com --domain-ip=1.2.3.4 --clien-login=client を実行します。